春になって適当に露出を合わせてもしっかりフィルム写真が撮れる季節になったのでロシアンカメラをもって散歩に行ってきました。今回はチャイカ2Mです。
過去のチャイカ2Mの作例についてはこちらをどうぞ。
cotenはこちら。見れるかな。
カメラ概要
チャイカ2Mは旧ソ連で作成されたフィルムカメラでフィルムを半分に分けて使うハーフカメラです。基本的には縦型の構図になりますが横に傾ければもちろん横構図でも撮影できます。
チャイカシリーズはチャイカ、チャイカ2、チャイカ3とあり、2Mは派生シリーズのようです。3からセレン露出計を取り去ったようだとか。レンズは全部共通らしい。チャイカとはかもめを意味する単語だそうで、おしゃれですね。
外観:シャッターボタンが正面についてます。初見だとシャッターボタンなのかがわからず、シャッターボタンを探してしまいました。撮影時は顔にしっかりカメラを固定しないと前後に手振れします。シャッター音が他のカメラと違ってカシャッといった感じではなくパチョンといった感じでまるでおもちゃ。シャッター幕もちゃっちいから本当にシャッター切れてるのか正直謎です。まあ、それも一興…。
巻き上げレバーと巻き戻しクランクが底についています。フィルムカウンターも底についていて、72枚まで数えられるので便利です。パシャパシャ撮れます。
SSダイヤルが軍艦部の中央にあります。一応アクセサリーシュー付き。
レンズ:名前をインダスター69(Industar-69)と言います。焦点距離28㎜、f2.8。レンズはなぜか着脱可能。L39マウントのねじ切りですが他のL39マウントとは互換性がありません。当初はいくつか交換できるようにする予定だったのかもしれません。真相は歴史の闇の中へ。絞り環はレンズの前についていて使いづらいです。
描写はふんわりと眠いですが、パンフォーカスにはなっていますし、フルマニュアルの写ルンですといった感じです。
ちなみに、L39アダプターを使用してミラーレス一眼で撮影しようとするとピントが合わない、無限遠が出ないと言われていますけれども、限界まで繰り出すとハーフマクロみたいな使い方が可能です。めっちゃ寄れるときがありますけどピント面薄いので撮影は難しい。
描写はやはり眠いので使わなくなってしまったんですが参考程度にどうぞ。
ピント:目測式。レンズの横に目安を書いてくれています。赤い矢印に距離を合わせて設定します。距離数字以外のマークは何を意味しているのかよく分かりませんが、OlympusPenEES2の3段階よりは合わせやすいです。そんでもって適当に合わせてもなんだかんだ合う。
SS:1/30、1/60、1/125、1/250、バルブ。おそらくレリーズを接続するであろう穴が前面にありますので星空とかもとれるのかもしれない。ただし三脚穴がないのでカメラ自体をどこかに置くしかないです。
2128931という個体
中身はこんな感じです。カビは見られず比較的綺麗。
購入した際にめちゃくちゃシャッターが固着していて何回もシャッターを切って動かしたのを覚えています。SSが遅いとシャッター幕が開きっぱなしになったりして裏ブタを叩いて動かしたりしてました。だんだん使っていたらスムーズに動くようになってます。そのうち油を差さないと動かなくなるような気がします。
巻き戻しクランクがゆるゆるで常に飛びだしている状態です。
絞り環が2.8のメモリよりも回ってしまうので正確なのかわかんないです。
現像してみると下の方にフィルムをこすった青い線が入る時があります。何かのバリに引っ掛かっているのだろうけど謎です。入らない時もある。
ファインダーがすごく汚い。よく見ると左下に埃のような物が見える。
ちょっとオーバーホールしなくちゃダメな気がするんですけどロシアカメラの修理ってどこで承っていただけるか知っている方いますか?いたら教えていただけるとありがたいです。
撮りに行きました。
今回は晴れの日で撮影しました。大体f8.0でSS1/125くらいで撮影しています。暗いところはf4.0、ss1/60です。
夕方の万世橋かな?無限遠ですがピントがぼやけてますね。順光で撮影。色は綺麗です。
同じ場所から反対側を逆光で撮影。ピントは甘いもののシルエットが素敵に撮れました。手前のタイルのはっきり感と後ろの架線のぼんやり感の対比がいい感じですね~。好きだ~。
同じく晴れの日の品川シーサイド。やはりピント甘め。これくらいの距離だと無限遠にしない方がいいのかな。吹き抜けで明るいので色は綺麗に出ています。
室内のガラスの壁を撮影。陰影がきれいです。絞りを4.0くらいにしてシャッタースピードは1/60にしました。
移動して高円寺。ルック商店街を逸れた道のトリマー学校の犬。なんとなしに撮影しましたが思いのほかいい構図になりました。ほんのり空が青くて良かったです。
最後にピントがばっちし決まっている箇所があるトンネル構図の写真。
ピント合わせが目測式なので全体的にピントが甘くなりがちですがいい位置に入ったものはしっかり合うということですね。難しいですがあまり気にせず撮るカメラなんだなと思います。
スナップを撮影するのにとてもよいカメラです。
最近EES2を使用していないので、次回の持ち出しはEES2で。
チャイカ2Mをもっと知りたい方へ。
この記事を書くにあたり、何件かチャイカに関する記事を拝見しました。
非常に詳しくチャイカの成り立ちをお調べになっており、読んでいて大変勉強になりました。
貴重な作例も掲載されていますのでぜひ訪問していただければと思います。
Rikkie様:BeLOMO チャイカ2Mについて
タック様:CHAIKA 2M
おとにゃん様:ハーフのお初はロシアンハーフ
藝術観覧とコケシアン様:ハーフカメラ チャイカ
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